セレン(Se)の解説。

人の発育と生殖に欠かせないミネラルの1つで、「セレニウム」とも呼ばれています。
セレンを多く含む食品は、昔から日本人がよく食べてきたものばかりなので、不足することはありませんでしたが、近年、食生活の欧米化に伴い、セレン不足の人が増えてきています。

セレンの効果

活性酸素対策にとても重要です。

体内に侵入してきた細菌などを無害化する活性酸素は、過剰になると体内の物質を手当たり次第に酸化しようします。 これが老化(体内の酸化)の原因となり、200種類以上の病気の原因ともなることが近年の研究から明らかになってきています。
セレンは、この活性酸素を強力に除去します。

不妊症に効果があります。

セレンは男性の精子に重要な働きをしているため、不足することで不妊症の原因となる場合があります。

成長や発育を促進します。

甲状腺ホルモンは体の新陳代謝を促す働きがあり、成長や発育には欠かせません。
この甲状腺ホルモンをセレンが活性させます。

がん予防に期待。

土壌中のセレン濃度が高い地域ほど、がん発生率が少ないという研究がアメリカから発表されており、セレンの摂取が体の抗酸化力が高め、がん予防につながると予想されています。

セレンの目標量を食品で摂る場合。

セレンの1日の推奨摂取量30μgを摂取するために必要な食品量を下表に示します。

うに 約15g
あん肝 約20g
わかさぎ 約30g
金目鯛 約20g
ごま 約70g
あおのり 約60g
かつお 約25g

セレンの欠乏症や過剰症。
セレン欠乏症

セレンが不足すると老化が早まり、発ガンのリスクも高まります。
また、抗酸化物質が不足することから、心臓が弱くまったり、心筋症や動脈硬化などが引き起こされやすくなります。

セレン過剰症

1日の上限量は450μg(マイクログラム)とされています。
セレンを慢性的に過剰摂取すると、爪の変形や脱毛、胃腸障害、疲労感、焦燥感、末梢神経障害などが起こりやすくなります。
また、グラム単位で摂取すると、重症の胃腸障害、神経障害、心筋梗塞、急性の呼吸困難、腎不全などを引き起こします。

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